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K2 第1話 [消えた傷]


2004年3月 へき地へ赴く若き1人の医師・・・

コンビニはおろか民家さえまばらな山道をひた走る一台のバス。そこには富永 研太(とみなが けんた)という名の1人の若き医師の姿がありました。彼は自らの意志で西海大学から無医村へと派遣された医師、腕は未熟ながらもやる気に満ちた表情でした。

無免許医の行方を追う2人の刑事

同じバスに2人の男も同乗していました。彼らは刑事で、その内の1人岡元さんは過去に無免許医に妻を殺されたという悲しい過去を持っていました。「医者のメスってのは人間を治すためのものだ。健全な体を切り刻むものではない!!」という言葉と共に無免許医の捜査に執念を燃やします。

捜査中の転落事故

落下するショベルカーをかわし谷底へ

刑事の岡元さんと富永医師ペアは無免許医の手がかりを探して雪深い山道へと足を進めます。休止された工事現場を通ったところで、あろうことか、2人の上方から1台のショベルカーが滑り落ちてきました。それをかわそうとした2人は谷底へ転落、岡元さんは腹部を枝が刺さる重症を負ってしまいました。

未熟な医師

重症を負い倒れ込む岡本さんを目の前にして、富永医師はへき地へ赴任したとは思えない動揺っぷりで救急車を呼ぼうとして「くそっ・・・圏外だ!!」言ってみたり、診療所に運ぼうにも1人では重くて運べない・・・ともはや絶体絶命。 彼の頭の中には「無医村に行くだと? バカなことはやめておけ。お前1人で何ができる!!」という父の声がよみがえっていました。

そこへ現れた渦中の無免許医

「誰かいないのか!?誰でもいい助けてくれェー!!」と叫ぶので精いっぱいの富永医師の声に、吹雪の向こうから1人の男が表れました。前作の「ドクターK」、さらに前作の「スーパードクターK」を知る読者ならおなじみのマントを羽織った大男。間違いなくKの姿でした。でもKは前作で命を落としたはず・・。Kのクローンか或いはKの妹の子供なのか!?富永医師の「あんたは?」という問いかけには一言「医者だ」と答えるのみ。岡元刑事を抱きかかえ2人診療所へと向かいました。

手術強行

正にドクターK

診療所に着くなりレントゲンの準備を始めようとする富永医師に対して謎の無免許医は「そんなことをやっていたら患者は死ぬぞ」と一蹴。出血は腸間膜動脈の可能性であることと、「オペは俺がやる!」と宣言します。富永医師は経験の無い症例に怯みながらも「医師免許を見せてみろ」と詰め寄り、岡元刑事も「指一本でも触れたらしょっぴいてやる!!」と牽制します。

しかし、謎の無免許医はまったく動じる様子もなくオペを強行、助手となる富永医師には「命を救うための努力を放棄した瞬間から、お前は医師ではなくなる。」と諭します。最初は納得のいかないまま助手をすることになった富永医師ですが、謎の無免許医の神業の如く速く精密なメスさばきに魅了されていきます。この男、正にスーパードクターKそのものです。しかし患者は刑事、オペが成功するなり謎の無免許医に手錠をかけ現行犯逮捕、そのまま拘留されてしまいます。

起訴できず!?

ところが、職場へ復帰した岡元は管理官から「起訴できない」と信じられない一言を聞きます。なぜなら岡元さんが受けたはずのオペの縫合後が無く、岡元さん自身も麻酔で意識がなかったことから立証できないとのこと。謎の無免許医はこうなることを読んで傷跡の残らない方法で縫合を行っていたのでした。加えて生き証人であるはずの富永医師も神業のオペに魅了され「僕はそんな手術、見ていません。」の一点張り。その背後には魅了されただけではなく、オペ室でかけられた「命を救うための努力を放棄した瞬間から、お前は医師ではなくなる。」という言葉、富永医師の脳裏には「あの時、あの場所で、僕は医師ではなかった…」という思いが駆け巡っていました。

お前はいったい何者だ!?

追いつめられた岡元刑事は「茶番はもうたくさんだ!俺の腹をもう一度開ければ証拠が出てくる!!」と声を荒げます。それには富永医師が岡元刑事が言った「医者のメスは人を治すためで、健康な体を切り刻むものではない。」と言った言葉を持ち出し「今の岡元さんの言葉を亡くなった奥さんが聞いたら悲しむと思います。」と諭します。

岡元刑事はもはやなす術無し。謎の無免許医に対して「お前は一体・・・何者だ?」と問います。その問いに「Kだ」と一言残しKはその場を立ち去りました。ドクターKであることが本人の口から語られました。二代目ドクターKはいったい誰なのか、本当に無免許なのか、今後の展開が気になります。

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