東京喰種 第63話 [喰種] の感想【東京喰種】
「東京喰種」というこの作品を初めて読み「深い作品だ」と思ったのは、カネキがまだ人間と喰種の橋渡しとしての役割を模索している時代で、正義に燃える喰種捜査官の真戸や亜門とリョーコやヒナミ、トーカといった喰種達が命を懸けて戦っているあたりでした。
その後、カネキはどんどん喰種へと近づいていき「橋渡し」する様な行動は見られず、喰種捜査官も威厳を感じさせないメンバーばかり増えてきたり、ストーリー展開は矛盾が目立つようになりと、ここでの感想もこのあたりの不満が多くなっていました。
そういう事なら・・・
今回の第63話を読んで、カネキが「橋渡し」をする気配がない事について、カネキ同様にふっきれてきました。
なぜか・・・?
窮地に追い込まれたカネキが、最後の最後で「僕はー『喰種』だ」と自ら悟ったからです。
エスカレートするヤモリの拷問
想像以上の精神力で耐えるカネキにヤモリが用意したのは、カネキも良く知る喰種の母子。ヤモリはどちらを殺すかカネキに選ばせようとします。
当然ながらどちらも選べないカネキは「自分を殺せ」と申し出ます。今度はヤモリがそれに乗るはずありません。ニコが「可哀想」と行ったことも彼の心を逆なでし、ヤモリは母も子もカネキの目の前で殺してしまいます。
葛藤を繰り返すカネキ
母子の死に大きなショックを受けたカネキは心の中で葛藤を繰り返します。極限状態のカネキが心の中で生み出したリゼも働きかけ、「ヤモリを殺していたら母子は助かった」とか「母は伯母を見殺しにしてもカネキの為に生きるべきだった」とか「傷つけられる側でいられない」、「ヤモリやヤモリが属する組織を許さない」、「カネキの中のリゼを超え、赫子(かぐね)を操ってやる」等といった様々な感情をカネキから引き出します。
そして感想冒頭の「僕はー『喰種』だ」とカネキは自らをそう表現し、まとめました。
今後の展開は!?
「喰種」宣言をしたカネキが次号でどう動くのかは全く未知数です。今まではトーカや四方と地道なレベルアップをしてきた様ですが、今回の一件でいきなり大覚醒をしてしまったりするのでしょうか・・・アオギリvsあんていくの激突はなんとなく予想できますが、CCGの絡みは予想できません。生身の人間がヤモリやカネキ、四方や芳村店長に及ぶとは到底思えないので。どうなるのでしょう・・・