ヤングジャンプ No.49(11/1発売) ベスト
ヤングジャンプ No.49(11/1発売) で私のベストは「」でした。
WxY(ダブリュー・エックス・ワイ)
第18話 君が僕を知ってる
結婚式のスピーチで語られる漫画家の本心
KYポコニャンのスピーチを代読する横田たかし
招待された結婚式でスピーチのメモを無くし、あろうことか暴言をはいたKYポコニャン(マンガ家のペンネーム)に代わり、壇上でスピーチを読むエロマンガ家の横田たかし(主人公)。彼が読み上げるスピーチはポコニャンがなくしたスピーチ。そこにはお祝いの言葉と同時に、週刊連載の漫画家が抱える苦悩が書かれていました。
先への不安
スピーチの中に「正直、僕はマンガ家の奥さんになる人の気がしれない。たとえ人気があっても数年後には見向きもされなくなるかもしれないし、再就職のツブシもきかない。」とあります。確かに、当たっているうちはいいけど、毎回ヒットする保証はないし、連載の枠だって限られているし、皆不安と戦いながらマンガを描いているんだろうと思いました。
スピーチを終え、語る横田氏とKYポコニャン
ポコニャンのスピーチを代読した横田氏に自分の思いを語るポコニャン。小太りで頭も禿げた24歳のポコニャンですが、横田氏と出会った当初は新郎の東条君に負けない程のさわやかな好青年。それがプロになり週刊連載を始め、たった3年でそこまでなったと言います。
「週刊連載はいろんな物をなくす。最後に何を失うか、それは自分自身だ。がむしゃらに机に向かう結果、他人の気持ちを汲む余裕をなくし、信頼して欲しい人との約束も果たせず、身なりは完全にオッサンに成り果てた。」と落胆した様子で語るポコニャンに対し、横田氏が思いを込めた言葉を投げ掛けます。
漫画家が描く漫画家の言葉の重み
WxYというこの作品が好きなのは、マンガとして異質なストーリー展開だけでなく、週刊連載中のマンガ家が週刊連載に望むエロマンガ家を主人公としているからこそ描けるリアリティー、女性らしい絵柄に好感を持てるからだと思います。漫画家の苦労が伝わってくる作品です。