ヤングジャンプ No.52(11/22発売) ベスト
ヤングジャンプ No.52(11/22発売) で私のベストは「極黒のブリュンヒルデ」でした。
極黒のブリュンヒルデ
第38話 視線
朽ちる奈波
奈波イジェクト
前号で、奈波の脱走が監視員にバレてしまいビーコンによる強制イジェクトが行われてしまいました。そうなるといくらAAA(AA+でしたっけ!?)の魔法使いといっても為す術なく、身体が溶け始め崩壊へと向かいます。 朽ち果てる中で奈波は、友達が欲しかったこと。「ずっと私を覚えてくれているような…記憶を消さなくて済むような、そして私が死んだ後も思い出してくれるような友達が欲しい…」という願いが最後の最後で叶ったこと、そのみんなに「友達になってくれてありがとう…」と心の中で伝え消滅してしまいました。
悲嘆する良太、その一方で…
奈波を救えなかった事を悔やむ良太の横で突然「うわっ!!キモっ!!」との声が。奈波の残骸を指してカズミや小鳥が誰が何処に捨てればいいのかと言い合い始めました。
これを読んだ時、良太の反応と同じで「正気か?」と思いましたが、魔法使い達が情に薄いのではなく、奈波が最後の最後で彼女達の記憶を消したための行動でした。「奈波ちゃんが死んだら悲しい」と寧子がこぼした最後の言葉、それを想う奈波の優しさの結果でした。
心の中で生きる奈波
ひとり泣き崩れる良太を前に、小鳥が「どどど…どうしたんですか、村上さん…!?」と訳が分からない様子。そんな中、良太の前に奈波が姿を現します。それは実体ではなく良太の心の中に埋め込まれた奈波の人格、記憶を消すことができない良太だから、一番最初に「友達になれそう」と言ってくれた良太だからこそ、そこに人格を書き込んだのでしょう。奈波が知った秘密も断片的でしかないけれど役に立てて欲しいと伝えています。さすがは操憶の魔法使い、ビーコンが作動した時は奈波が知った秘密もろとも消されてしまったと思いましたが、この様なかたちで良太に伝えられるとは思っても見ませんでした。
天文台のすぐそばに埋葬した良太は「敵は奈波が教えてくれた。もう絶対に許さない…」と決意を決め、また「奈波…おれはいつまでも忘れないから…」と心の中で呟きます。それに「…ありがと」と答える奈波、これまで何かあるたびに「ごめんね…」とばかり言っていた彼女の感謝の言葉。凶悪な魔法使いと言われても優しい女の子なんですね。
沈黙を守る小五郎
奈波や良太、カズミ、小鳥の行動ばかりに目が言ってしまいますが、この間に小五郎は数コマで姿を見せるものの全て沈黙を守っています。単にこの状況下で小五郎にふさわしいセリフがなかっただけかもしれませんが、最後に朽ち果てながら記憶を操作していたと思われる描写に小五郎は入っていませんでした。もしかしたら、小五郎も記憶を消されることなく、この出来事の一部始終を認識したままなのかもしれません。
ヤングジャンプセンターカラーも必見
雑誌のセンターカラーも極黒のブリュンヒルデでした。佳奈のリアルでシリアスな表情にすごくひきつけられました。