ヤングジャンプ No.9(1/31発売) ベスト
ヤングジャンプ No.9(1/31発売) で私のベストは「」でした。
極黒のブリュンヒルデ
第45話 力の代償
それぞれの不安・悲しみ
AAAスカジ
謎の施設ヴィンガルフで土屋が会わされたのがトリプルAランクの魔法使い「スカジ」。彼女の秘めた能力は「予知」で、こちらの指示した時間、指示した場所、指示した人間に起る事を100%予知できるという能力。もはや予知ではないと思いましたが、神話とかで言う予言と同じ感じなのだろうと思います。
彼女は予知の代償として多くの神経細胞を失うそうで、既に自分の意思で動くことも、聴力もほとんどできない身体になっていました。本人も予知の代償で身体が動かなくなっていくことを悟りつつも、「誰かの役に立って生かしてもらうしかない」「命よりも能力の方が大切だってことは分かっているが、能力のおかげで生かされているだけでも幸せ」と、涙を浮かべながらも気丈に振る舞う少女の姿がありました。
予知のターゲット「カズミ」
いつも通り朝の試験勉強を行う、良太、寧子、小鳥、カズミと佳奈の5人。普段通りの平穏な朝かと思いきや、突如佳奈の「予知」が働きました。佳奈の予知はスカジの予知と違い、割りと近い未来に起る死を伴う事故なり事件なりがフラッシュバック的に脳裏によぎるものです。
その驚くべき内容は「明後日くらいにカズミが捕まり、拷問を受けた後に殺害される。」というもの。「私…どうすればええんやろ…」と涙を浮かべ絶望の底にいる彼女に、良太は3日後の試験に向かっての勉強を提案し「どんなことがあっても…なにをしてでもお前を助ける」と力強い言葉を投げ掛けます。
今回の予知は変えられない!?
カズミを勇気づけたとは言え、佳奈の不用意な発言に疑念を抱いた良太は学校を早退し、佳奈に「隠し事をしているのでは?」と詰め寄りました。佳奈は、自分の同様がその様な言葉遣いにつながったのだろうと答え、今回の予知が変えられないと思っていることとその理由を話し始めました。
100%の予知ができるAAAの魔法使いは予知の実現のために未来にまで干渉が出来る。だからもうカズミが死ぬのは救えないのだと…。これにはさすがの良太もショックを隠しきれませんでした。
土屋もまた
新卒でヴィンガルフへ配属され魔法使いの世話を余儀なくされた土屋もまた、スカジの可愛らしい容姿と性格、弱り切った姿、それが魔法を使った代償だと知りながらもみんなの役に立とうと振る舞う彼女の姿、そしてそれが殺されたくないがためで、それが幸せなんだとさえ語る彼女の姿、しかし彼女はあと1回予知したら死んでしまうと聞かされている事実…。強気な性格の土屋もまた大粒の涙を流して座り込み「他の人と同じように、この子を見殺しにするわけだ…」と嘆き呟きます。
風は誰に吹くのだろうか…
相変わらず岡本倫先生の心情を表情で表現するうまさには関心させられます。絵も綺麗だし登場人物も多種多様、ストーリーも謎が多く様々な方向から描かれているので飽きません。このピンチを良太がどう乗り切るのか?やはりAAAの力は絶対なのか!?展開が気になります。