週刊ヤングジャンプ No.33(7/18発売) ベスト
週刊ヤングジャンプ No.33(7/18発売) で私のベストは「ねじまきカギュー」でした。
ねじまきカギュー 第百十六話「悪魔が生まれた日 A」
前回までは絵の異端さから全く読んでいなかった「ねじまきカギュー」でしたが、今回の話しにははまりました。ちょっとしたホラーですね。話しとしては番外編でしょうか。これまでとはテイストが違う気がします…。
悪魔の子「理人」
子供が産まれて幸せ絶頂の父・母
生まれてまもない我が子にデレデレの父、「見てくれ。なんって可愛さだ!欠点がひとつもない!完璧な芸術品とはこのことだ!」とべた褒めする姿から物語がスタートしました。
その子の名は理人(りひと)、賢い男の子でした。
秀才ぶりを発揮するが…
成績は常にトップ、神童ともてはやされ多くの生徒が憧れるが、少々特殊な一面も覗かせていました。産まれたたばかりの赤ん坊の時から目を見開いて両親をじっと見つめる姿、「皆とは遊ばないのかい?」と問いかける父に「パパ。どうして他の子と仲良くしなくちゃいけないの?」と答え、「思いで作りは一生の宝になる」と言えば「それはつまり人脈を作れっていうこと?」と答える小学生…。
確かに秀才ですがなんとも異質な少年です。
愛って何!?
理人を溺愛する母
「りーくん♡」と抱きつき溺愛する母。母の「子供は黙って親に愛されていればいいの」という言葉に「愛?」と反応する理人でした。
悪魔の片鱗
そして母の「ママはね、あなたを守るためだったら命懸けられるわ。それが親の愛よ」と言った言葉にぼそっと返した理人の言葉…。そこに悪魔を目の当たりにするのでした。
「経済的には問題ない…。身の回りの世話ももう1人でできる歳になった…。ママがいなくなってももう僕にデメリットはない…。本当い命懸けるかな…?」と…。小学生の独り言だから怖い…。
小さく残酷な悪魔
そして・・・
「あーっ、ニャンコだぁーッ!!」と駆け出す理人。遮断機の降りる踏切の中まで走って行きました。「はやくそこから出なさいッ!!!」と叫ぶ母に靴が引っかかって抜けないと訴える理人。
理人を助けようと踏切に飛び込む母、そのタイミングで「あ。ぬけた。」と間一髪踏切を抜け出す理人でした。母は勢いでそのまま踏み切りの中へ…。ほっとして笑みを浮かべる母にそれを悪魔の瞳で見つめる理人の姿…。それが母の最後でした。
お通夜で肩を落とす父が聞いたのは、「最後笑ってたな…。種の保存プログラムか…」とつぶやく理人の声でした。「悲しくないのか…?」と震える父の言葉にうえーんとうそ泣きを始める理人。そして続く理人の言葉は「ねぇパパ、ママはなんで僕を守ったのかな?自分の命より大事なものがこの世界にあるなんて信じられないよ。これが『愛』なんだね?」というものでした。
そして…満面の笑みを浮かべて…
「愛って本当にあるんだねっ。どうやら僕だけが愛というものをわかってないみたい。僕は欠陥品だ…。もっと知りたいな。愛のこと。」と…。セリフと言い、表情と言い、ぞっとしますね。
後の理人の妻が現れる
こんな邪悪なエピソードも最後は、青年時代に入り理人の妻となる女性が登場したところで終わりました。「あのときだけは。もしかしたら悪魔が人間になれるかもしれないと思えた。」という見解が添えられ…